『サングラハ』第161号が出来ました!

  会報誌『サングラハ』第161号が出来ました。

 本日発送しましたので、読者のみなさん、少しお待ちください。

 今号も執筆者のみなさんの力作の原稿が揃いました。

 特にコスモロジー教育の小学校での実践報告、子どもたちの感想がなかなか感動的です。

 筆者の「『唯識三十頌』を学ぶ」は、唯識を初歩から学びたい方のための連載です。まだ第2回ですから、前号の第1回と合わせて読んでいただければ、唯識の学びのスタートが切れるので、お勧めします。

 関心を持ってくださるブログ読者のみなさん、よろしければ、さらに踏み込んで本誌もお読みになりませんか。


  目 次

 ■ 近況と所感……………………………………………………… 2

 ■『唯識三十頌』を学ぶ(2)……………………………岡野守也… 6

 ■ 唯識と論理療法を融合的に学ぶ(11)………………… 〃…… 16

 ■ 新・ゴータマ・ブッダのことば(13)……………………羽矢辰夫…34

 ■ 近代、アメリカ、日本三つの未完のプロジェクト(1)…増田満… 36

 ■ 実践報告:合唱曲「COSMOS」の詞より(2)……松原弘和…… 42

 ■ 講座・研究所案内…………………………………………………46

 ■ 私の名詩選(60)万葉集の月の歌…………………………………48


 お問い合わせは、samgraha*smgrh.gr.jp(*を@に換えてください) へどうぞ。

不安から安心への移行

 繰り返すと、当研究所の講座プログラムは、「正しく適度な心配はするが過剰な不安に囚われず、やれることをやって、後は宇宙に任せる(受容)ことのできる心」を育み、危機の時代を生き抜く心備えを確立することを目指しています。

 不安に対処する3つの方法のうち③の「正しく考える」方法としては、論理療法、ロゴセラピー、ポジティブシンキングなど、「大きく正しく考える」方法としてマルクス・アウレーリウスなどのトア哲学、そして唯識ー仏教心理学、さらにそれらを融合したコスモロジー心理学などのプログラムを提供しています。

 こうした方法を適切に組み合わせながら、繰り返し持続的に実行すると、「不安を感じていない時間」が多くなることは確実ですし、究極の理想的モデルとしては、不安も含め悩みが一切ない大安心(だいあんじん)・涅槃・ニルヴァーナの境地に到達できることになっています。

 不安から大安心までは、白黒ではなくいわばグラデーションですが、ともかく瞑想を核とした総合的プログラムに参加していただくことでストレス・不安から安心への大幅な移行が起こることは、参加者の方々へのアンケート調査からも明らかです(まだ第三者による科学的エビデンスがないので、自己宣伝っぽくなるのが残念ですが)。

 実際に体験していただくことに優るものはないのですが(「百聞は一見に如かず」!)、なかなか時間が取れない、おっくうだ、ためらいがある…といった方のためにも、参加していただいた方の反復学習用にも、今後ともできる範囲で公開していきたいと思っていますので、読んで参考にしていただけると幸いです。


*東京土曜講座の「不安の時代の心理学――なぜいまコスモロジー心理学か」は、次回、10月6日の第2回のみの参加も可能です。前回の簡単な復習――シンプルで楽な瞑想を含む――をして先に進みますから、この回のみご参加いただいても、十分、多くのヒントを得ていただけると思います。

不安を感じていない時間を持つためには1

 当研究所の講座プログラムは、「正しく適度な心配はするが過剰な不安に囚われず、やれることをやって、後は宇宙に任せる(受容)ことのできる心」を育み、危機の時代を生き抜く心備えを確立することを目指しています。

  そこで、まず不安を感じていない時間を持つ方法をお伝えしていくのですが、そのためにまず大筋として以下のポイントを押さえていきます。

 ① 心を空(「から」、さらには「くう」)にする:考えない

 ② 心を何かに集中する:余計なことを考えない

 ③ 大きな心になる:大きく正しく考える

 私たちは、熟睡したり気絶したりしている時は悩んでいない。というか、悩めません。

 それは、考えていない・考えられないからです。

 逆に言えば、考えるから悩む、考えなければ悩まない、ということです。

 ですから、悩みたくなかったら、考えないこと。

 とはいっても、パスカル風にいえば「考える葦」であることを運命づけられた人間は、ふつうふだん目が覚めている時は、あれこれと考えずにはいられません。

 だとしたら、どうすればいいのでしょう。

 次回の記事をお読みください。

不安への対処の3つのタイプ

 不安は、未来の危機への漠然とした想像から生まれる感情です。

 非常に不愉快な感情である不安をなくすための対処には、以下の3つのタイプが考えられるのではないでしょうか。


 ①想像・考えることをやめる:否認と気晴らし

 ②避けられないこととして受け入れる:あきらめ、受容

 ③心配し正しく認識し適切な対処法を探って行動する


  どんなに困難であっても決して対処不可能ではないことについては、否認やあきらめではなく、③の対処がもっとも合理的・適切な対処であることはいうまでもありません。

 しかし、対処にはかなりのエネルギー・意志・勇気が必要ですから、そのエネルギーをチャージするために一定の気晴らしをすることは、ある程度あっていいし、必要だとさえいえるでしょう。

 また、安易なあきらめは非合理的・不適切ですが、ほんとうに避けられない・運命的な出来事については、受容するほかありません。

 そして、受容することは、フランクル‐ロゴセラピー的にいえば「態度価値の実現」です。

 変えうることは変える、変ええないことは受容することについて、よく知られているのは、アメリカの神学者ラインホールド・二ーバー(1892–1971)の次の祈りの言葉です。

 神よ、私に、変ええないことは、それを受け容れる平静さと、変えうることは、変える勇気を与えてください。そして変えうることと変ええないことを見分ける知恵を与えてください。
 
O God, give us serenity to accept what cannot be changed, courage to change what should be changed, and wisdom to distinguish the one from the other.

*東京土曜講座の「不安の時代の心理学――なぜいまコスモロジー心理学か」は、次回、10月6日の第2回のみの参加も可能です。前回の簡単な復習をして先に進みますから、この回のみご参加いただいても、十分、多くのヒントを得ていただけると思います。

現代の主な7つの不安

 先日(15日)、東京土曜講座の「不安の時代の心理学――なぜいまコスモロジー心理学か」の第1回目を行ないました(*当日のメモに基づき昨日の記事を若干修正し、タイトルも変更しました)。

 その内容のポイントをご紹介しようと思います。

 まず、参加者のみなさんと現代の主な不安にはどのようなものがあるかを考え、筆者があげたのも含め以下のような不安があることが確認―共有されました。

 読者のみなさんは、どう思われるでしょうか。
 もちろんこれ以外にもいろいろあると思われますが、「主な」というとほぼこれだけなのではないでしょうか。もし、お気づきのことがあれば、ぜひコメントをください。


  現代の主な不安

 ①生活水準が保障されなくなるのではないか

 ②社会秩序が崩壊に向かうのではないか

 ③災害が巨大化するのではないか

 ④環境がますます悪化するのではないか

 ⑤戦争に巻き込まれるのではないか

 ⑥科学技術が行き過ぎてしまうのではないか

 ⑦人類は絶滅に向かうのではないか


 こうした不安に目をつぶらず、どう向かい合うか、が学びの課題です。

なぜコスモロジーセラピーか

 昨年秋、研究所のオリジナルなプログラムである「コスモス・セラピー」を「コスモロジーセラピー」と改称しました。

 「コスモス・セラピー」という呼称で知られてきつつある状況なのになぜ? と思った関係者もおられたようでなので、以下簡単に説明をしておきます。

 それは、「人間は言葉(ロゴス)を使って生きる生き物である。したがって、人間が健全に生きるためには健全なコスモロジー(コスモス+ロゴス、宇宙観・世界観)が必要であるし、人間の心の根本的癒しには不健全なコスモロジーを健全なコスモロジーに変換することが必須である。要するにポイントは、コスモス・宇宙そのものというより、その捉え方つまりコスモロジーなのだ」という基本的な考え方が、私の中ではっきりしてきたことを表現したいと思ったからです。

 ついでになぜ「・」なしかというと、例えばフランクルのロゴセラピーはいわば固有の商標であるため表記が「ロゴ・セラピー」ではなく「ロゴセラピー」であるのとおなじように、「コスモロジーセラピー」もオリジナルなプログラムであるという自己主張です。

 より説明的にすれば単に「コスモロジーセラピー」ではなく「つながりコスモロジーセラピー」、さらに詳しく説明すれば「つながり・重なり・一体性コスモロジーセラピー」となるでしょうが、さすがにそれは長すぎるので「コスモロジーセラピー」にとどめました。

 私や私たち(もっとも広く言えば人類、さらには生命全体)が全体(whole)としての宇宙とつながっていて、究極のところ一体であること、さらに宇宙は重層的に自己複雑化・進化を続けていて、私たちはいわばその最前線にあることが、浅い意識的な知識にとどまらず、深層のコスモロジーになった時、私たちの心は根源的に癒され(heal)、健全(health)になる、というのがコスモロジーセラピーの基本的作業仮説であり、それはこれまで報告してきたとおり1)2)3)実践の中で実証されてきたと考えています(残念ながらまだ純粋な第三者による検証はなされていませんが、何人ものセラピスト、精神科医、教育者による実践の成果の報告はいただいています)。

 できるだけ多くの人と共有したいと願って、コスモス・セラピーの文章化できる内容についてはかなりの部分を本ブログで公開してきましたが、単に知識的ではなく体験的なセラピーであるという要素が大きく、最終的にはやはり実際に参加していただくほかありませんでした。

 コスモロジーセラピーについても、今後、公開できる部分は公開していくつもりですが、参加して体験していただくしかないという面はますます大きく残ります。

 今月から、東京でも高松でも講座を行ないます。関心を持っていただけた方は、どうぞ参加して、体験してみてください。

 *問合せ・申込みは、samgraha@smgrh.gr.jp へどうぞ。


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