私たちの会の存在意義

運営委員長の岡野です。

松原さん、三谷さんのコメントへのお返事ですが、広くみなさんとも共有したいので、記事で書きます。

お二人にも、参加されたみなさんにも、持続可能な国づくりが国によってなぜできるか・できないかの理由が4象限理論で分析するとよく見えてくる、ということを理解していただけたようで、喜んでいます。

どんなに善意であっても、右上だけ、あるいは右下のシステムの話も含めて右側象限だけの話をしていても、実現に近づくことはできない、と私は考えています。

(もちろん、日本が持続可能な国になることが目的なので、もし右の話をしているだけで実現できたとすれば、それはとても喜ばしいことですから、私の意見が外れても何の異議も不満もありません。)

環境・持続可能性に関するグループが「山ほど」といってもいいくらいたくさんあり、相当な人数を集めているグループもある中で、あえて私たちのまだ小さな会が存在する意義は、環境に関する専門的知識や理論の豊富さや正確さでもなければ、個別の「環境にやさしい」行動の活発さでもなく、また環境問題の解決には政治に関わる必要があるという考え方でもなく、4象限にわたるインテグラルな視点をもっていることだと思います。

この視点をもっているグループは、私の知る限り日本には他にはありません(もしあったら、ぜひ交流→合流したいと思いますので、ご存知の方はお知らせください)。

持続可能な国をつくるために必須の(と私は考えますが)この視点を広く伝えて、国民(少なくとも国民のリーダー)の多数とシェアしていくことが、この会の存在意義でありミッションだ、と今回の総会と学習会を経て改めて私は考えるようになっています。

みなさんは、どうお考えでしょうか。

 

昨日の学習会:要点

運営委員長の岡野です。

昨日は、久しぶりの学習会、なかなかの盛会でした。参加者のみなさん、お疲れさまでした。

テーマは、「持続可能な国づくりの条件~4象限で読み解くスウェーデン・ブータンモデル~」。

アメリカの思想家ケン・ウィルバーの存在の4象限のアイデアを適用して、なぜ、スウェーデン、ブータンでは、持続可能な社会が着実に実現の方向に向かいつつあるのかを論じました。

詳しくは、間もなく編集してお頒けできるようになる予定の講義のDVDを見ていただきたいと思いますが、要点だけお伝えしておきたいと思います。

ブータンでは、持続可能な社会の実現のための4象限にわたる条件がかなり満たされていると推測されますが、その概要は以下のとおりです。

まず、左上:個の内面についていえば、仏教精神と近代を統合できるリーダー群(国王他)の存在があります。

次に、左下:集団の内面については、 国教である大乗仏教の精神が国民全体に共有されていることがあげられるでしょう。

そしてもちろん、右下:集団の外面では、 ブータンには伝統的農村共同体がしっかり残っています。

そこで、右上:個の外面のオルタナティブな技術によるゆるやかな近代化が比較的スムースに行なわれるのだと思われます。

さらに私たちの会ではここ5年ほどかけてずっと学んできたスウェーデンについても要点を述べましたが、以下のとおりです。

左上:個の内面については、スウェーデン福祉国家を創りあげてきた社会民主労働党の歴代の党首たち、ブランティング、ハンソン、エランデル、パルメなど、自然と人間社会の調和への欲求と構想力を持ち、社会全体の中長期の利益を構想できるリーダー群と市民の存在があります。

加えて、左下:集団の内面では、ヴァイキング以来自然への畏怖と愛の思いを持った国民性、プロテスタント・キリスト教の愛の精神をベースにそれが世俗化された社会民主主義ヒューマニズムの連帯の精神があげられるでしょう。

だからこそ、右下:集団の外面としてのエコロジカルに持続可能な社会=緑の福祉国家を構想し本気で実現に向かうことができているのだと考えられます。

そしてもちろん、スウェーデンにはきわめて先進的な環境技術があることは言うまでもありません。

それぞれに4象限すべてにわたる条件が満たされているために、国全体が持続可能性に接近できつつあるのではないか、と私は推測しています。

こうしたブータンやスウェーデンの4象限にわたるあり方は、日本での持続可能な国づくりを考える上で大きなヒントになる、と私は考えており、参加者に、「みなさんはどう思われますか」と問いかけをしました。

感触としては、全体としてとてもよく理解―合意していただけたのではないか、と感じています。

(蛇足ですが、もちろん私はブータンやスウェーデンを絶対視・理想化しているわけではなく、それぞれが克服すべき大きな問題も抱えていることは承知しています。それにしても、日本の現状よりははるかに持続可能な国に接近していると評価しているのです。)

当日参加されたみなさん、持続の会員のみなさん、読者のみなさん、よろしければコメントをお寄せください。

※写真は、会場の皆さんの許可を得た上で、事務局が岡野運営委員長の記事に入れ込みました。